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まるごと宮部みゆき
現代を代表する女流作家、宮部みゆきの魅力を様々な角度から紹介。作家活動について自身が語るロングインタビューをはじめ、作品を通した宮部論や全著作一覧データ、作家年表など、宮部みゆきの軌跡も満載。ファン待望の一冊。
ベストセラー作家の誕生から現在まで、その全てがわかる完全読本。
目次
チャート式・宮部みゆきワールド
全著作ガイド完全版!
挿絵リバイバルコレクション
三点観測・宮部小説の全てを語る
宮部みゆきの原点・「我らが隣人の犯罪」再録
ロングインタビュー・まるごと宮部みゆき
登場する方々
寺田農 松本清張 高村薫 山野辺進 大森望
小松左京 ロバートBパーカー 藤原審爾
結城昌治 遠藤周作 エド・マクベイン
山田章博 小泉英里砂 木田安彦 溝口健二
藤田新策 吉川英治 山本周五郎 船戸与一
羽生善治 藤沢周平 黒川博行 北村薫
森村誠一 菊村到 夏樹静子 都筑道夫 恩田陸
椎名誠 新井素子 眉村卓 かんべむさし
白井喬二 縄田一男 池上冬樹 峯岸達
木村桂子 熊田正男 古川タク 矢野徳 村上豊
笹川善晴ほか多数
レビューより
朝日新聞の文芸部が、直木賞授賞作『理由』の文庫化にタイアップして作った『宮部読本』である。「模倣犯」の各賞授賞、映画化でこの10年間、何回目かの宮部ブレイクをしている今日の状況にも乗っかかっている。さすがに個人の趣味で作ったのと違い充実した『読本』になっている。
ひとつは資料的な価値。新人授賞作の再録、年譜、書誌データを載せるのは当然として全発行著作のカバーを全てカラーで載せている。雑誌連載時の第一回目の挿絵も載せてある。
ひとつは作品世界の分析である。一人の批評家に任せるのではなく、四人の批評家に書かせてバリエーションを持たせている。それぞそれ見当違いなことは書いていないと思う。複数の批評家が、外国のサスペンス等を参考にしながらも常に下町庶民の目から物語を構成しようとしている『視点』を指摘しているのは注目に値するだろう。彼女のお手本はキングだけでないのである。また、本人も言っているし、池上冬樹も言っているがまだ宮部は『恋愛小説』を書いていない。宮部の弱点であり、これからの可能性のひとつであろう。また、もうひとつ彼女の弱点も明かになった。本人はインタビューの中で「私が書ける小説の種類はおのずと限られてくる」といっている。しかし批評家は誰も批判はしなかった。(読本だからといって甘いのではないか)私があえて指摘すると、彼女は時代小説なら武家小説、特に藩の運命が絡んでくるものや歴史小説はまだ書いていない。現代小説なら政治の世界は書いていない。書こうとしない。自分が想像できない世界は書けないのだそうだ。しかし、山本周五郎、池波正太郎、藤沢周平はともに市井小説の大家であるがそういう政治物も書いていた。恋愛にしても政治にしても彼女にひと皮剥けてもらいたいと願うのはファンの身勝手というものであろうか。
この「読本」のもう一つの魅力はこの本の三分の一を占めるロングインタビューである。いろんな注目発言が有るのたが、特に作品をどうやって書いているかを割りとあけすけに喋ってくれているのは大注目。『火車』『理由』『模倣犯』の裏話も豊富。
宮部作品の紹介から、評論家三者によるミステリ・時代小説・SFそれぞれの視点からの宮部みゆき論、挿絵画家たちによる連載時の挿絵紹介、そしてお腹いっぱいになる宮部みゆきロングインタビュー。自宅と別に構えた仕事場でTVや音楽(鬼平EDテーマ!)をつけっぱなしにしながらの仕事風景、作品の作り上げ方、影響を受けている作品など興味深い話題がいろいろ。 元教師の北村薫氏が宮部さんにとっての学校の相談室の先生的存在だったのが裏話として面白かった。