★著者、ロジェ・マルタン・デュ・ガール(Roger Martin du Gard)は1881年、パリ近郊のブルジョワ家庭に生まれる。トルストイの影響を受け文学を志す。パリの国立古文書学校(cole nationale des chartes)を卒業後、作家としての活動を開始。処女作『生成(Devenir!)』ののち、ドレフュス事件を題材にした『ジャン・バロア(Jean Barois)』を発表し高く評価される。その後第一次大戦に従軍、除隊後、代表作となる『チボー家の人々(Les Thibault)』に着手。1920年、39歳のときから20年余りを費やして大作を完成させた。この間1937年に「1914年夏」でノーベル文学賞を受賞。ほかの作品に、戯曲『ルルー爺さんの遺言(Le Testament du pre Leleu)』、『水ぶくれ(La Gonfle)』、『無口な男(Un Taciturne)』、短編集『老いたるフランス(Vieille France)』、小説『アフリカ秘話(Confidence africaine)』、評論『アンドレ・ジッドについての覚え書(Notes sur Andr Gide)』など。1958年死去(享年77)。
★内容: 第一次大戦前夜のフランスを舞台に、良家に育った二人の兄弟の運命を壮大なスケールで描く大河小説。繊細な感受性を持つ弟ジャックの悲劇が時を超えて万人の胸を打つ永遠のロングセラー。デュ・ガールの代表作であり、彼を1937年のノーベル文学賞受賞に導いた作品である。
物語はカトリックの富裕な実業家の家であるチボー家の子息アントワーヌおよびジャック、それにジャックの友人でプロテスタントの家庭の息子であるダニエルの3人の少年が中心となり、彼らの青春を通じて第一次世界大戦期10年間のヨーロッパにおけるブルジョワ社会や思想状況が描かれていく。厳格な気風のチボー家で育った真面目なアントワーヌは医師となり堅実な道を歩むが、反抗児のジャックは感化院に入れられるなどした後、作家となり、やがて革命運動に身を投じる。一方自由な気風の家庭に育ったダニエルは享楽家として描かれ、その妹ジェンニーはジャックと恋仲になる。しかしやがて第一次世界大戦が到来し、ジャックはビラ撒きの飛行機が墜落して重傷を負ったのち殺され、アントワーヌは毒ガスによって虫の息となり、ダニエルも戦場で負傷し障害を負う。彼らの希望はジャックとジェンニーの間に生まれた子供に託される。フランスでは連続テレビドラマとして、1972年、2003年と二度映像化されている。
「百年以上も前の外国の物語なのに、不思議なほど痛切に胸にしみる。互いに好意を抱きながらわかりあえない男たち、女たちの不器用さが、歯がゆくも愛おしい。そしてだれもが戦争の渦のなかに呑まれていく、その恐ろしさと異様な興奮はどうだろう。平和とはなぜこんなにももろく、損なわれやすいのか? 夢中でストーリーを追いながら、あまりの不条理に圧倒される。そして「いま」の世界を考えることを強く促される。
長編の全巻はピエール・マルガリティスに捧げられている。マルガリティスはジャック・チボーのモデルとなった人物だが、第一次大戦中に蔓延したスペイン風邪で命を失った。パンデミックの恐怖にさらされた今日、『チボー家の人々』を読み直すことの意義は大きい。これはあとに続く者たちに力を貸してくれる作品であると、カミュは讃えた。シンフォニーのような威容を備えていながら、読みやすく、親しみやすい。そして何といっても、登場人物たちと時間をともにすることの喜びを、つくづく味わわせてくれる作品なのだ」(野崎歓;フランス文学者)
(1) 灰色のノート
(2 少年園
(3 美しい季節1
(4) 美しい季節2
(5) 診察
(6) ラ・ソレリーナ
(7) 父の死
(8) 1914年夏1
(9) 1914年夏2
(10) 1914年夏3
(11) 1914年夏4
(12) エピローグ1
(13) エピローグ2
★著者、ロジェ・マルタン・デュ・ガール(Roger Martin du Gard)は1881年、パリ近郊のブルジョワ家庭に生まれる。トルストイの影響を受け文学を志す。パリの国立古文書学校(cole nationale des chartes)を卒業後、作家としての活動を開始。処女作『生成(Devenir!)』ののち、ドレフュス事件を題材にした『ジャン・バロア(Jean Barois)』を発表し高く評価される。その後第一次大戦に従軍、除隊後、代表作となる『チボー家の人々(Les Thibault)』に着手。1920年、39歳のときから20年余りを費やして大作を完成させた。この間1937年に「1914年夏」でノーベル文学賞を受賞。ほかの作品に、戯曲『ルルー爺さんの遺言(Le Testament du pre Leleu)』、『水ぶくれ(La Gonfle)』、『無口な男(Un Taciturne)』、短編集『老いたるフランス(Vieille France)』、小説『アフリカ秘話(Confidence africaine)』、評論『アンドレ・ジッドについての覚え書(Notes sur Andr Gide)』など。1958年死去(享年77)。
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